子どものもの

【谷川俊太郎の絵本レビュー】子供と読む戦争と平和がテーマの絵本3選!

子供にもわかりやすい戦争と平和の絵本ってある?

絵本作家として、数々の作品を世に出している

谷川俊太郎さんの戦争と平和をテーマにした作品は

単純な絵と、少ない文字で戦争と平和を表現していて

小さな子供にもわかりやすく、

とても印象に残るような内容になっていておすすめです。

 

日本では、戦後70年を迎えましたが

世界の各地ではまだまだ現在進行形で戦争が行われています。

  • 戦争とはなにか?
  • 平和は当たり前ではない
  • 戦争は他人ごとではない

普段の生活の中で忘れてしまいがちな上記のようなことを

子供にわかりやすく伝えてくれる谷川俊太郎さんの絵本を3つ紹介していきます。

へいわとせんそう

1冊目は、「へいわとせんそう」。

 

へいわのボク、せんそうのボク

へいわのハハ、せんそうのハハ

へいわのどうぐ、せんそうのどうぐ


…などなど

いろんなものの平和と戦争の対比を絵で表現しています。

 

絵本の最後まで、この対比が淡々と描かれていて

戦争や平和について

メッセージ性のあることは一切書かれていません。

 

平和と戦争の対比でわかりやすく明暗わかれていた絵が

絵本の終盤、

 

みかたのカオ、てきのカオ

 

の対比が出てきて、一変します。

 

ただ事実を絵で表現しているだけなのに

なぜか衝撃を受けてしまい、

深く考えさせられる内容。

 

味方とは?

敵とは?

いったい誰の事?

なんの違いがあるの?

 

そんなことを無駄な文章表現はなく、

絵で見て心で感じることができる絵本になっています。

せんそうしない

  • 題:せんそうしない
  • 文:谷川俊太郎
  • 絵:江頭路子
  • 出版社:講談社

2冊目は「せんそうしない」。

この絵本は子供よりもまず先に

大人が読むべき絵本かも知れないです。

 

きんぎょと きんぎょは せんそうしない

くじらと くじらは せんそうしない


と、いろんな生き物を例に

繰り返しつづられていきます。

 

そして、その対比として

せんそうするものとして出てくるのは

 

おとなと おとな

 

せんそうするのは「にんげんと にんげん」

 

ではなく、「おとなと おとな」と表現しているんですよね。

 

こどもと こどもは けんかはするけど せんそうしない

 

その通りですよね。

でも、ハッとさせられます。

 

また、

 

ひとが ひとに ころされる

しぬまえに ころされる

 

など、

戦争というものをとても簡潔で

でもぐっと胸を締め付けられる言葉で表現しているもの印象的です。

せんそうごっこ

3冊目は、「せんそうごっこ」。

 

絵本の出版が1982年なので、

今はなきソビエトとアメリカ合衆国の冷戦時代が舞台となっています。

 

一人の男の子が

こっちソビエト

こっちアメリカ

と言いながら

戦争ごっこをして遊んでいます。

 

遊びの内容のはずが妙にリアルな描写で

実際に起こっていることなのか

男の子の遊びの中のことなのか

だんだんわからなくなってくるのが

絶妙に恐怖心をあおります。

 

そして、男の子も遊びをエスカレートさせた結果

たくさんの死体の中、家に帰るものの、

お母さんもお父さんも死んでしまった…

 

最後にちゃんと遊びとしてのオチは用意されていて

ホッとするのですが、

実際に起こってもおかしくない内容が

かなりテンポよく描かれていて

 

こんなことが実際起こったらどうしよう…

 

という気持ちにさせられます。

 

ただ、これは決して空想の世界ではなく

現実に起こりえる戦争の話なのだと、

子供にリアリティをもって伝えることができる絵本になっています。

まとめ

谷川俊太郎作
戦争と平和がテーマの絵本まとめ

谷川俊太郎さんの戦争と平和がテーマの絵本3選でした。

 

戦時中の悲しい出来事を題材にした絵本は

数多く出版されていますが

今回紹介した谷川俊太郎さんの絵本は

そういった具体的な過去の出来事の描写はありません。

 

ただ、

もし今後そんな時代が来てしまったら?

平和でなくなるというのはどういうことなのか?

 

など、自分の生活に置き換えて

深く考えるきっかけとなる絵本です。

 

読むときは、お子さん一人ではなく

ぜひ、親子で一緒に読んで色々なことを感じて

考えてもらえればなと思います。

 

では、最後までお読みいただきありがとうございました✨